番外編(日本)

転職活動徒然記・前編

ずいぶん更新が止まってしまっていました。だいぶ前から自分のPC上であちこち書き散らかしており、収拾がつかなくなっていたので、結局今回一から書き直しました。

遡ること2022年12月、大学や専門学校で非常勤講師として働き始めて、早7年目が終わろうとしているころでした。当時大学等で週10コマ程度の授業を担当させていただいた私は、気付けばすでに40歳となっていました。将来に対する不安はありつつも、正面から向き合う勇気もなく、気付けば時間だけが過ぎていました。そんなときにあるきっかけで、今から「正社員になる道」があるかも?と考えるようになり、色々と悩んだ結果、研究の道からいったん距離を置こうと思い定め、私は生まれて初めての転職活動を始めることにしました。大学等の教員公募の体験談はインターネット上にそれなりにあると思いますが、文系博士の民間企業への就活の体験談はそう多くはないと思うので、その辺を中心に書いていきたいと思います。私にとっては初めての経験だったので、ある意味フィールドワークというか、印象に残っていることも多く、詳しく残しておこうと思います。

ちなみにこの転職活動の末、晴れてとある日本語学校に事務職員として就職できましたが、いろいろあってこの学校は退職しました。その後別の私立専門学校に教務職員として転職しましたが、そちらも退職し、2025年10月より東北地方の国立高専で常勤の英語教員として働いています。高専教員の職に就くことができたのは、それまでの非常勤講師の教歴に加え、直近に2つの学校で正職員として働いていた経歴がプラスに作用したのではと思います。それを思えば、2022年暮れに一念発起して転職活動を始めたことは間違いではなかったのかなと思います。

転職サイトをうろつく

非常勤講師から正規の職を求めて就活すると決め、まずはエン転職やリクルートエージェント、マイナビ転職などの大手転職サイトに登録してみました。一般の会社員が転職活動をするときと一緒です。それが2022年12月ごろの話です。サイト登録時に自分の経歴を入力するのですが、40歳にして自分のまともな職歴が大学等の非常勤講師の掛け持ちしかなく(大学卒業→大学院→非常勤講師だったので)、正社員歴が0年0か月という事実が重くのしかかりました。この年齢で文系の院卒(博士)で、ほぼすべての業種も職種も未経験なんて、雇う方も扱いづらさマックスのはず…。さっそく心が折れそうでしたが、仕方がないのでありのままを入力していきます。そして希望の勤務地や業種、職種、年収なども入れていきます。

転職サイトにはいろんな機能があって、面白かったです。まずは「スカウト機能」。転職サイトに登録しておけば、自分の経歴に興味を持った企業からスカウトを受け取ることができます。こんな私にも意外にもスカウトがけっこう来ました。1日平均して5件は来たと思います。自分の希望の業種・職種ではないにしろ、不思議なものでスカウトされる気分は悪くはなかったです。ちなみにスカウトの9割以上は生命保険会社か不動産会社の営業職のスカウトでした。おそらくノルマのきつさゆえに離職者が多い分野なのでしょう。ちゃんと求職者の経歴を確認せずに機械的に大量にスカウトを送っていたと思われます。中には「プレミアムスカウト」というものもありました。「書類審査免除」とか「いきなり役員面接」などと魅力的な文字が踊ります。未経験の40代に「プレミアムスカウト」と送るとは、いったいどれだけ人手不足なのでしょうか。とはいえ、ちゃんと特定の分野においてそれなりの職歴がある人であれば、真面目に検討する余地のあるスカウトが送られてくると思います。スカウト通じて運命の出会いがあるかもしれません。

ほかにも「気になる」という機能がありました。求職者側が「エントリーする(履歴書を送る)」とまではいかないけど、ちょっと気になるなという求人があれば、「気になる」をポチってブックマークすることができます。こちらがブックマークしたことは企業側に伝わります。こうして企業側は、転職サイトに大量に生息する求職者の中から、自社に関心を持ってくれている集団を抽出でき、直接彼らにアクセスすることができます。企業の人事担当者は求職者の中にめぼしい人がいれば、そのままスカウトを送ることができます。自分が「気になる」としてブックマークした企業から「スカウト」が来たりすると、相思相愛では?とか、履歴書を出したら書類選考ぐらいは通過するのでは?と毎回テンションが上がってしまっていました。しかし私に限って言えば、そんなことはまったくなく、書類選考を通過することは一度たりともありませんでした。本当に人事担当者が求職者の情報を確認したうえで「スカウト」を送っていたのかも疑問です。

第一希望は出版・マスコミ系だけど…

さて、元々文章を書いたりチェックしたりするのが好きだったので、ライターや編集など出版・マスコミ系の仕事を中心に探していました。これらの仕事であれば、これまでやってきたことも多少は生かせるだろうし、自分の経歴に興味を持ってくれる人がいないとも限らないと、そこはかとない希望を抱いていました。しかし、求人を見れば見るほど、現実の厳しさを突き付けられました。出版系の仕事のほとんどが即戦力となる経験者を求めていましたし、ごく稀に「未経験OK」などの求人があっても「長期勤続によるキャリア形成を図る観点から」などという理由で、35歳以下のように年齢制限があることが多かったです。求人において年齢で差別をしてはいけないという法律があったと思うのですが、特別の理由があれば例外的に認められるそうです…。

出版・マスコミ系は相当厳しそうだということを目の当たりにしつつ、かなり望み薄ではありますが、応募しなければ何も始まらないし、何か奇跡的なことが起こる可能性もゼロではないかもと思い、まずは出版・マスコミ系を中心に手当たり次第応募しまくりました。便利なもので、各転職サイトでは「ウェブ履歴書」というものが作成できます。すべての求人には「エントリーする」というボタンがあり、そこをクリックすれば簡単に企業に履歴書を送信できます。当時の私は求人ごとにちょっとずつ志望動機を修正して、ガンガン送っていました。履歴書を送付すると選考が始まり、書類選考結果が送られてくる、という流れです。当然のことながら、履歴書を送る傍から「お祈りメール」が届きました。

大量の「お祈りメール」を前に出版・マスコミ関係にこだわっていては内定どころか書類選考ですら一生通過しないと学習し、その後は職種・業種に限らず、とにかく条件を満たしてそう(とくに年齢や経験)、多少でも興味が持てそうであれば応募してみる、という方針に変えました。自分が知らないだけで、世の中には様々な仕事があるものです。たとえば「ALS患者を四六時中サポートする」というお仕事がありました。資格や経験は不要で、しかし突然の様態急変などにも対応しなければならず、そのため給与はかなり高く設定されていました。以前看護系の専門学校で教えていたころ、『サヨナラのかわりに』というALS患者とそのヘルパーの心の交流を描いた映画を授業の題材に使っていたので、ALSにわずかながら馴染みがありました。一瞬「応募するか??」と頭をよぎったことを覚えています。

エン転職で少し前に見つけた求人(今はもうないかも)

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